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【書籍】『変態風俗史料』相馬二郎 金竜堂(昭和13年)
¥2,500
函ナシ、経年のシミ、背表紙剥がれ等はありますが、通読に問題なしです。 肝心の内容、は下記目次をご覧になり、お察しください。 『変態風俗史料』相馬二郎 金竜堂(昭和13年) 目次: 変態は単なる耽奇ではない ▼変態嫉妬考 嫉妬の語義/嫉妬の原因/女性の嫉妬深い理由/変態性嫉妬/性器に対する嫉妬/性器に対する復讐/新聞に現はれた実例/狂的復讐を企てた男 ▼処女非処女の鑑定 処女の定義/純潔を尚ぶ所以/処女膜/血液の変化/肉体の変化/精神状態の変化 ▼性的犯罪の種々相 性的犯罪の種類/性欲異常と性欲満足のプロセス/姦通/恥耻は姦通の抑制機/危険な性的不均衡/堕胎/堕胎是認の時代/強姦/強盗と強姦/売淫/公娼と私娼の区別/異性動物虐待/性的児童虐待/老人が幼少者を選ぶ理由/性的神経衰弱症/髪切り/油かけ、薬品かけ/屍姦/屍姦と法律/屍姦の実例/殺人淫虐症/露出狂/窃視狂/食人症/鶏姦/性的崇物狂/糞淫症/実例と制裁 ▼変態結婚風俗の種々相 五歳の夫と二十歳の妻/死んだ子供の結婚式をあげる/女の児が生れるまで供物を捧げる/牛と娘とを交換する話/婚姻の床は娘の父の家で/生れた子供を殺せば浮気の権利を得る/貧乏の買手から金持の買手へ/半分だけの結婚をしたもの?/娘の競売が開催される話/勇敢でなければ結婚出来ない話/処女よりも寡婦の値が高い/サハラ砂漠地方の娘/『若干の金額にて、足下に娘を売却す』/換玉の女が送られてくる/三種の結婚方法/最初の接吻の値段/夫の為めに妾を養育する義務がある/第一の女房が第二の女房を拵へる/女房等が働いて夫は遊んでゐる国/其の晩のお伽がつきもの/マンボ・ジャンボ/若し処女であったら?/結婚してから七日間/縁談を二度以上は断はれない部落/マヌウ法典の一項/好きな者に身を任せるお祭/独身者は妾をもつ/花嫁の着物を花婿の着物を結ぶ/貴族の女の生んだ子は貴族/娘の好きなやうに結婚させる/見てみないふりをする/『人若し妻を娶りて』/地位の下の者との結婚は大罪/波羅門の虫のいゝ話/原始ギリシャの男に対する『女』の言葉/裸体の娘等の体操/お人善しのステプシアデス/貧乏で金持の女と結婚すれば/妊娠中のマルシヤを譲ったカトオ/第一には女王の命令に従ひ/『一三十人の男に侵されて』/アメリカ野蛮人の姦通/姦通が極く普通の事として/四人の証人と姦通/接吻も姦通なり/夫の姦通を気にしてはいけない/驢馬の小便を頭へ注ぎかける/男根の切断/姦婦を裸体にして町を歩行さす/子を生まないと競売に附す/『お前を離縁する』/酒飲みの女と怒鳴る女/男性不能の事/亡父の墓の上で絞殺される/生々しい傷痕のある女が/鰥夫と寡婦/奇怪なる順縁制度 ▼変態性欲の種々相: 変態性欲の定義/変態性欲の原因/変態性欲の種類/顛倒的性欲/窃視狂・陰部露出症/この傾向の見世物/『宮比の神の裸体踊』/露出性式偶像/今様八犬伝犬に戯れ君子さんの負傷/蛇を愛する女/○○敵動物嗜好/肖像姦/わが国に於ける文献/〇〇口〇/准色情狂 ▼原始男女関係に於ける奇怪なる様式: 奇怪なる男女の結合/近親結婚の例/試験結婚の実例/文明人の思惟の外にある部分的結婚の考察 ▼結婚の変遷と畜妾制度: 乱婚時代/対偶婚/家族制度と『めかけ』/欧米に於ける畜妾/妾の歴史的考察/妻妾同居の残酷/妻妾同居の実例/妻と妾との対比/娼婦性の女と妾/娼婦性の女の変態的欲望 ▼一妻多夫雑考: 一妻多夫の俗習と起源/各地に於ける一妻多夫/特に奇怪なる一妻多夫の様式/バアル婚姻への道程 ▼江戸城大奥の荒淫生活: 性生活に於ても暴君/寵妾の新陳代謝/歴代将軍の荒淫/御殿女中の性的生活/役者買ひ/僧侶 ▼掠奪結婚の奇習: 額に朱を塗るのは血を意味する/カムチャツカでの難解な結婚式/自由結婚に国境なし/女の掠奪を名誉とする習俗 ▼裸体美雑考: 医学的に観た裸体美/裸体画の起原/春画と裸体画/春画の由来/浮世画と裸体美/江戸時代の裸体美鑑賞 ▼口碑と伝説に現はれたる変態結婚: 古代人の思想 ▼亡魂と人間との恋愛と結婚: 祈って幽霊に契る/金閣寺の幽霊と契った武士/塚中に契る/亡霊と不義を働いた庄屋の妻/亡霊と契って男児を生む/亡霊と知らずして契る ▼神仏が化身して人間と交はつた話: 弁天化身して馬士の妻となる/吉祥天女と行者/偶像強姦の一種か?/『羽衣』について/赫屋姫/現代科学と古代人の思惟/美女天より下る/蛇と人間との交情/大蛇に愛着せられた李カン《王+官》/蛇性の淫/女に懸想した蛇/僧と蛇/九頭の龍と同棲した僧/妻蛇と化して新夫を呑む/蛇、夫と化して妻を孕ます/大蛇娘を襲ふ/狐と契を交した男/玉藻前の妖/一夜妻/狐妻/進化論の暗示/夢に蟻の婿となつて快楽す/狼妻となつて二子を生む/鬼若者と化して美女と契る/正体の知れぬ情人 ▼接吻物語: キツスの起原/原始時代の母子の愛情から/野蛮時代の味覚嗅覚の発達が変化して/聖書とキツス/キツスの種々相/キツスが現在の如く世界的の習慣となつた道程/レンテンセレモニー/キツスのお祭と共進会/売キツスと接待キツス/キツスのない国/日本のキツス ▼川柳を通じて観たる性的風俗考: 『柳樽』を三稜鏡として/川柳補遺(・醜婦 ・旅 ・恋 ・姑 ・嫉妬) ▼変態刑罰史: 火燈/磔刑/串刺/鋸挽/牛○○、車○○/煮〇し/男女の生殖器を毀傷する刑/鼻を切り取る刑/捺火印刑とヒ《非+りっとう》刑/黥刑/獄門/斬罪/切腹/死罪、下手人/晒/其他の刑罰 ▼食人奇譚: 小児及女子嗜食/病者老人死人を喰ふ/復讐による食人/迷信による食人/支那食人史/○○料理/心臓の羹《スープ》/○○〇膾/臀肉の塩漬/○○の料理/頬肉/生血をすゝる/人地風呂 ▼変態殺人考: 文化と犯罪/外国の部/日本の部 ▼変態見世物史: 足芸の女/腹芸の男/眼球の力持/大睾丸と大陰茎/女相撲/猥褻見世物/放屁名人/見世物小屋/見世物のカラクリ ▼淫薬及淫具考: 淫薬淫具の使途と目的/人類に対する皮肉/四つ目屋/大阪の黒行燈/長命丸・女悦丸/荒唐無稽なる笑ふべし/その害を受けし男女/支那の淫薬/外国製の人口○○/男性の○○○○/外国製の人口○○/女性の○○○○/吾妻〇/張〇/よろひ形・かぶと形/……・・・…玉 ▼男女関係の隠語秘帖: ▼明治初年の変態世相: 急拵への珍苗字/最初の外人自殺/紙幣を守札と誤る/八幡不知の大流行/提燈屋伊庭想太郎/斬髪珍聞/御法度の仇討/天子様の鱗/暴動に囚人利用/新聞雑誌珍名づくし/カフエーの元祖/引張凧の西郷札/国籍脱退届/西郷星/モダンガールの先駆/男女同権論の始祖/伝書鳩のはじめ ▼江戸時代の堕落: 人口増殖率緩慢の原因/堕胎と殺児/堕胎専業の女医/中條流/堕胎薬/産児制限と地蔵尊
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【書籍】屠場(とば) abattoir / 写真・本橋成一(2011)
¥2,500
牛を屠り、成形されて出荷される。うちの近所も食肉産業とは縁遠いところではない。あたたかな光で包まれた食卓の上に並ぶジューシーなお肉たちは、例外なく屠殺という行為、人間による生殺与奪の順序を踏んでいる。それは食肉加工だけではなく、山の木を伐採し立派なテーブルを作り、その上に命を奪われたフレッシュな野菜が、新鮮なお肉が、とれたての魚が、なんにせよ殺されたものたちばかりで彩られ、それを毎日バクバク食べることで我々は生きている。屠殺の過程に思いを馳せることは自身の食や暮らしと向き合う場合にもとても重要なことである。巻末の写真解説では、牛を屠る作業がいかに大変で複雑かがよく分かる。「わしらは人間、わしらこそ人間」という、部落解放同盟松原支部の業者の言葉が胸に刺さる。